2018年08月03日
埋蔵ダイヤ!ざくざく?(筑西塾ブログ)
埋蔵ダイヤ!ざくざく?
地球には1000兆トンものダイヤモンドが埋まっている!
という研究報告が、米マサチューセッツ工科大学の研究チームから発表されました。
そんなにあるなら、採掘すれば大金持ちになれるはずです。
しかし、そうはうまくいかないようです。
そのダイヤモンドは、地球の表面下約145~240キロにあると推定されています。
現在までに最も深く掘られた穴は、1970年から1992年までにロシアのコラ半島で掘られたコラ半島超深度掘削坑です。
その時の最高深度は、12,262メートル(12キロ262メートル)でした。
もともとこの掘削では、15キロまで掘る予定でしたが、
12キロを過ぎたあたりの地中温度は100℃くらいと科学者たちは見積もっていたものが、
実際には180℃にも上昇したため、この先の温度上昇を考えて掘削を断念しました。
これから見ると、ダイヤモンドのある145~240キロまで到達するのはほとんど不可能です。
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では、そんな深くにあるダイヤモンドがなぜ、地上にいる人間の手に入るのでしょうか。
それは、火山の噴火、それも数千万年に1度の頻度でしか起こらない特殊な火山噴火で地表に運ばれてくると考えられています。
普通の火山は、地殻プレートに沈み込む別の地殻プレートが運ぶ水とマントルが反応し、
地下100キロあたりでマグマが生成され、
いろいろな反応を起こしながらゆっくり上昇し、
マグマだまりにたまって、やがて噴き出し形成されています。
しかし、ダイヤモンドが運ばれてくる火山噴火は,プレート活動とは関係なく、
地殻のその下のマントルで、マントル物質が溶け、そこから直接噴火する特殊な火山なのです。
マントルでできた溶岩が地下奥深くにあるダイヤモンドを巻き込みながら、
地上まで噴出し、ダイヤモンドを直接運んでくると考えられています。
ダイヤモンドは、地下145~240キロの深さからゆっくり運ばれてくる場合は、途中でグラファイト(黒鉛)に変わってしまうため、
ダイヤモンドの安定性から、驚くことにこのマグマは時速300km以上の速度で、わずか1時間程度の短時間でマントルから直接吹き上げたことになるのです。
また、マントル物資が溶けて、直接地上に噴火するものですから、
マグマも、一般的な火山のマグマとは違いますから、マグマが冷えて固まってできる岩石も特殊な岩石になります。
この岩石はキンバーライトといわれる岩石で、この岩石がある場所でしかダイヤモンドはとれません。
また特殊なのが、キンバーライトは古い地質構造が保存されている場所にしか存在せず、
世界でも、古い地質構造がみられる限られた地域にしか分布していません。
このような特殊な事情により、ダイヤモンドはどこでも取れるのではなく、
ある決まった場所でしか採掘できないのです。
ダイヤモンドが地上でみられるのは、自然が作り出した奇跡といってもいいのかもしれませんね。
Posted by 南風原 筑西(ちくせい)塾 at 14:08│Comments(0)